2016年7月12日火曜日

感想・書評「だれもが知ってる小さな国:有川浩」ネタバレ注意・コロボックル物語シリーズ作者である佐藤さとるさんより、「書いてみたら?」とバトンを渡され(レビュー)。 #読書

だれもが知ってる小さな国  有川浩 著

30~40年前に「コロボックル物語」シリーズを読んだ人ならピンと来るこのタイトル。絵も昔と同じ、おなじみの村上勉さん。でも作者が違う。戸惑う人もおそらくいたであろう。自分もその一人であった。
 調べてみると、コロボックル物語シリーズ作者である佐藤さとるさんより、今回の著者である有川浩さんが直接「書いてみたら?」とバトンを渡され、執筆することになったらしい。往年のファンからすると、売れっ子作家である有川浩さんがどう書くのか、どうイメージを膨らませているのか、わくわくする気持ちと著者が変わったことに対する不安、複雑な気持ちを感じてしまわずにはいられない。
 それでも、本の表紙を見ただけで、懐かしさはあふれるばかり。手に取った人も多いはず。
 読了後の感想としては、私は著者の引継ぎは「あり」だったと感じた。
 物語の進め方、情景描写、文章の雰囲気、昔のシリーズを思い出すには十分である。特設ページなどを見てみると、有川浩さんもコロボックルのファンであり、愛読書のひとつであったとのこと。
 物語後半にて、やはりちょっとした事件が勃発。この内容については少し従来のシリーズよりは派手に書かれている印象もあるが、全体的には本当の悪が出てこないという点では昔通り。驚いたのが最後にたたみかけるように記された真実の連続。これで、シリーズ第一巻のタイトル「だれも知らない小さな国」と今回のタイトル「だれもが知ってる小さな国」の表現の意味がパッと分かるようになっている。
 著者が変わったことに対する抵抗もあろうかとは思うし、読んだ方の中でも賛否両論あることは考えられるが、自分自身は非常に感動した。他人の著書シリーズを引き継ぐというのは、おそらく想像以上に大変なことであろうかと思うが、この本に関しては見事に受け継いで書かれていると感じた。
 ぜひ、またこの続編を出してもらいたいと期待している。

ありがとう寄稿。

昔ヤンチャばかりしていた男が友人の一言で教師になり、さまざまな問題を解決していく話です。最初は心に闇を抱え、教師なんてみんな同じだ、と意地を張っている生徒ばかりですが反町隆史演じる鬼塚英吉の熱意ある言動にみんな惹かれていくのです。
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